「ねえ、ちょっとしたお願いがあるくんだけど…」
親しい友人からこんなふうに切り出されたら、あなたならどうしますか? もしそのお願いが、かつて自分を2日間もトイレから出られなくした「手料理の試食」だとしたら…?
今回のお話は、料理学校の課題のために必死に試食係を探すAvaと、過去のトラウマからそれを全力で拒否するJoshのコミカルな攻防戦です。
ネイティブの英語を自分で使える英語にするDeep Dive Englishです。ネイティブの自然な英語を学びたいけど、それを自分でも使っていいのか迷うときがありますよね。
Deep Dive Englishでは、フレーズごとに「自分で使っても大丈夫か」「カジュアルなのかフォーマルなのか」をタグ付けしていますので、安心して使えます。
音声は次の内容で構成されています。
①ゆっくりスピードでの英語
②日本語でフレーズ解説
③ノーマルスピードの英語が続きます。
音声は全部で5分くらいですので、無理なく学習できます。
英語スクリプト
Ava: Hey, can I ask you a tiny favor?
Josh: Uh oh. Every time you say that, I regret it later. What is it this time?
Ava: I need someone to taste the dishes I’m making for my culinary class project. Just a few bites!
Josh: No way. Last time I helped, I couldn’t leave the bathroom for two days.
Ava: That was months ago! I’ve gotten way better since then. Come on, you’ll love it.
Josh: Thanks, but I’m not falling for that again. No amount of begging will change my mind.
Ava: Please, Josh. Everyone else said no.
Josh: I wonder why. Who did you ask?
Ava: Let’s see… Mia, Jacob, and my roommate.
Josh: And what did they say?
Ava: Mia said she’d rather eat cardboard, Jacob pretended to faint, and my roommate moved out.
Josh: Sounds like a rave review.
Ava: You’re my last hope! If you say no, I’ll fail this project.
Josh: Fine, fine. I’ll do it—but only if you promise not to poison me.
Ava: Deal. And for the record, this one doesn’t even have raw chicken in it.
Josh: Great… I feel so much better now.
日本語訳
エイヴァ: ねえ、ちょっとお願いしてもいい?
ジョシュ: その言い方、いつも後で後悔するんだよな。今度は何?
エイヴァ: 料理学校の課題で作ってる料理を試食してくれる人が必要なの。ほんの一口だけ!
ジョシュ: 絶対イヤ。前に手伝ったとき、2日間トイレから出られなかったんだぞ。
エイヴァ: あれは何か月も前の話よ!あのあとすごく上達したんだから。お願い、きっと気に入るわ。
ジョシュ: その手には乗らない。どんなに頼まれても気は変わらない。
エイヴァ: お願い、ジョシュ。他のみんなに断られたの。
ジョシュ: だろうね。誰に頼んだの?
エイヴァ: ミアとジェイコブとルームメイト。
ジョシュ: で、なんて言われた?
エイヴァ: ミアは「段ボールの方がマシ」って、ジェイコブは気絶したふりをして、ルームメイトは引っ越した。
ジョシュ: すごい高評価だな。
エイヴァ: あなたが最後の希望なの!断られたらこの課題落ちちゃう。
ジョシュ: わかった、やるよ。でも毒だけは入れないでくれよ。
エイヴァ: 約束するわ。ちなみに今回は生のチキンすら使ってないの。
ジョシュ: はは、それで安心できるかどうかは別だけどね。
フレーズ解説
💬 “Hey, can I ask you a tiny favor?” 【カジュアル・使ってOK】
“Can I ask you a favor?” は定番の丁寧依頼。 “tiny” を入れると 「ちょっとだけ」「軽いお願い」 と聞こえ、相手の負担感が下がります。
💬 “Uh oh. Every time you say that, I regret it later.” 【カジュアル・使ってOK】
“Uh oh” は「やばい」「あちゃー」 軽い驚きや不安を表す定番の会話表現です。
“Every time you say that, I regret it later.” =「あなたがそう言うと、毎回あとで後悔する」
✔ 文法ポイント Every time + 現在形 = 「〜するたびに」
💬 “I need someone to taste the dishes I’m making.” 【使ってOK(高頻度)】
“I need someone to 〜” は依頼の万能フレーズ。 「〜してくれる人が必要」はこの形が最も自然。
“dishes” は “food” より少しフォーマルで、作った料理(作品)のニュアンス。
💬 “No way.” 【カジュアル・使ってOK(友達同士のみ)】
英語の「絶対ムリ!」 短く強い拒否。友人には自然ですが、 上司には “I’d rather not.” が安全。
💬 “Last time I helped, I couldn’t leave the bathroom for two days.” 【理解メイン(ユーモア)】
誇張表現(hyperbole)。 「2日間トイレから出られなかった」=「食あたりがひどかった」という笑い。
“help” の目的語が省略されているのは、文脈で明らかだからです。 (= “help you”)
💬 “I’ve gotten way better since then.” 【カジュアル・使ってOK】
“way better” は much better より会話的で自然。 “way” は副詞で「かなり」。
✔ 文法ポイント get + 形容詞 = 変化(SVC)
💬 “I’m not falling for that again.” 【カジュアル・使ってOK】
“fall for” は「だまされる」「その手に乗る」。 友人同士の軽い拒否として自然。
💬 “No amount of begging will change my mind.” 【フォーマル構文/会話でも使用可】
「どんなに頼んでもムリ」 No amount of X will Y は強い決意を表す型。
✔ 文法ポイント “amount of” → 不可算名詞と一緒に使う。
💬 “I wonder why.” 【カジュアル丁寧・使ってOK(高頻度)】
直訳は「なぜだろうね。」 会話では、相手の言ったことに対して 軽い皮肉・納得・あきれ を込めて言うことが多い。 「みんなに断られた」→「そりゃそうだよね」のニュアンス。
💬 “Mia said she’d rather eat cardboard.” 【理解メイン】
“would rather A than B” =「BするくらいならAの方がマシ」
段ボールの方がマシ → 強い拒否のジョーク。
💬 “He pretended to faint.” 【使ってOK】
pretend = 「〜のふりをする」 会話で非常に便利な動詞。
💬 “You’re my last hope.” 【使ってOK】
映画でもよく聞く感情表現。 必死さをストレートに伝えるフレーズ。
💬 “Fine, fine. I’ll do it.” 【カジュアル・使ってOK】
繰り返すことで 「はいはい、わかったよ…」の しぶしぶ感 を表現。
💬 “For the record, this one doesn’t even have raw chicken in it.” 【フォーマル表現を皮肉に転用】
“For the record” = 「念のため言うと」
ここでは逆に、そのフォーマルさが皮肉を引き立てています。 “even” は「〜ですら」の強調。
💬 “Great. I feel so much better now.” 【理解メイン(皮肉)】
ポジティブな言葉を 逆の意味で使う英語特有の皮肉。
状況が悪い中の “Great.” は 「全然よくないよ!」の意味。